ALL ABOUT YUGE FABRIC FARM

ALL ABOUT YUGE FABRIC FARM

「YUGE FABRIC FARM」からピックした
デッドストック生地をセットしたスペシャルプロダクツ。

大阪市福島区。古くから残る街角に佇む、看板も何もない一軒家。全国から人が訪れるお店「Essential Store」は、一言で説明できるものではない。見た人、触れた人、感じた人。それぞれの感性と感情を揺さぶり、その余韻はいつまでも続く。一度足を踏み入れれば、脳がぐるりと回転し、持ち合わせた価値観さえも土台から揺るがされるような感覚になる無二の空間であり、未知との遭遇へと僕たちを導いてくれる。その「Essential Store」が数年前から手掛けているのが、今回のコラボレーションのパートナーとなった「YUGE FABRIC FARM」。業界内にある古いしきたりや常識を超えて、世が見逃してきたデッドストックの生地にスポットを当て、現代へとアプローチする新しい概念の“生地屋”であり、“手芸屋”だ。その膨大なラインナップの中から「UNION」がピックアップしたのは、広島・福山市にて生まれた“備後絣”のデッドストック生地と、愛知県・一宮市のメーカーからレスキューした'80sのオーダーメイドスーツ用のデッドストック生地。ふたつの古い生地を、いまのストリートへと蘇らせたプロダクトは、どれも美しい風合いをまとった、スペシャルな仕上がりに。「YUGE FABRIC FARM」とは? 「Essential Store」とは? 滅多にメディアには露出されない両者の貴重なリポートとともに、コラボレーションの全容をお届けする。



UNION × YUGE FABRIC FARM COLLECTION




STAFF
Edit : Yuji Iwai @yujiiwai_8891
Photo : Hiroshi Nakamura @nkmrhrsi



What’s YUGE FABRIC FARM ?




生地業者の常識を覆す、NEWタイプの“手芸屋”。

古いもの、誰も目にかけていないもの、磨けば光るもの。僕たちが気づきもしないような事柄や物を拾い上げ、世の中に新しい価値観として再定義する。のちに紹介する「Essential Store」が長きに渡って続けてきた美しいストーリーが、この「YUGE FABRIC FARM」にも投影される。アメリカでの買付が基本だった「Essential Store」だが、コロナ期をきっかけに日本の市場を掘り出した矢先に届いた、兵庫県のとある生地業者の廃業の知らせ。そこに大量に眠っていた多くの美しい生地を手にした時、その可能性にひらめく。もともと、何かに焦点を絞り、掘り起こすように集めるのは大の得意。その機を逃さず、集めに集めた日本に眠るデッドストックの美しい生地に、新しい光を当てられないか。生地を集めながらも、独自の管理システムを構築するのに要した歳月は2年。いまでは10万メートルを超える在庫を完璧にコントロールし、様々なブランドへの生地提供や、一般のお客さんへの販売も行っている。そのラインナップは、古いものでは'70s〜'80s、'90s〜'00sのものもあり、日本のものはもちろん、ヨーロッパからのインポートものも多く揃う。今までの生地を扱う業界ではNGとされてきた常識外の品揃えも魅力で、例えば、残りのメートル数が少ない、いわゆる“見切りもの”も、クオリティが高いものであればストック。少量であっても一点もののプロダクトになったり、貴重なものとして扱うように。さらに、洋服に使う生地だけではなく、ソファや椅子、カーテンなどに使われるインテリア用の生地もあり、それらを同時に見られる貴重な“生地屋”として、密かに注目を集めている。




そんな「YUGE FABRIC FARM」の膨大なデッドストックのラインナップの中から、「UNION」がピックアップしたのは二つの生地。主にジャケットとパンツに使用されたのは、広島県・福山市で1890年代から始まったとされる工場で発掘した“備後絣”のデッドストック。備後絣は、江戸時代から160年もの間、受け継がれてきたもので、日本三大絣のひとつ。繊維の中心が空洞になっているため、冬には暖かい空気が放出されにくく、夏には吸湿性に優れているためサラッとした着用感で楽しめる。また、綿100%ゆえ、着れば着るほどに経年変化で味わいが増し、肌馴染みも良くなっていくのが特徴。古いシャトル織機で織られた温もりのある風合いは、他にはない佇まいを約束してくれる。そして、シャツに使用されたのは、生地の名産地でもある愛知県・一宮市にて1844年より続いてきたメーカー<渡彦毛織>のデッドストック生地。オーダーメイドのスーツに使用される生地で、同社が所有する、古いドイツ製撚糸機とションヘル織機で織られた高級生地“WATAHIKOTEX”をピックアップ。ハリがあり、光沢感のある高級な質感を生かした、独特のムードをまとうシャツに仕上がった。ともに、いまではなかなか見ることのできない貴重なデッドストックの生地を、「UNION」ならではの美しいカジュアルウエアへと昇華したプロダクトに着地。新と旧、日本とアメリカ、さまざまなカルチャーがクロスオーバーした必見のラインナップとなった。





What’s Essential Store ?




説明の言葉は不必要。必要な体験が揃う異空間。

ギャラリー? 雑貨屋? またはキュレーターズショップ? 既存の定義にカテゴライズをしたり、形容詞を付けることさえ難しく、見た人、訪れた人、それぞれの感覚で捉えるべき場所というものは、そんなに多くない。「Essential Store」に足を踏み入れた人からよく聞くのは、“とにかくすごい”、“見た方がいい”、といった感情的な言葉だったりする。






ファッションやカルチャーに造詣が深い人たちに限って形容する言葉を失い、その感動を誰かに感情的に伝えようとする。それほどに理解不能、科学的にその美意識を解明することは難しく、言葉で語れば語るほどに、本質から遠のいていく気がしてしまう。一体どこで見つけてきたのかと思うような小さなものから、歴史の隅っこで静かに佇んでいるアート、どこかの子供が作ったであろうオブジェクト。アメリカや日本で店主が見つけてきたアノニマスなプロダクトが並ぶ様は、眺めているだけでも動悸がする。コロナ期を経て、拡大された空間は、まるで迷路のような作りになっていて、さらにその世界が拡張された。いま、日本に、これだけ人の感性・感覚・感情を揺さぶる店は無いのではないだろうか。単純にそう思う。



期間を限定した入札形式でアートやオブジェクトを販売する“サイレントオークション”や、日本の紙ものに特化した“紙屑倶楽部”など、エポックメイクなコンテンツもあり、さながら何かの研究機関のような独自のプレゼンテーションにも驚かされてばかり。古きを知り、愛で、埋もれたものに光を当て、忘れていた感覚や、新しい価値観を提示する。何年前に、誰が作ったかもわからないようなものが忘れられない買い物になる。自分自身の意識と対話するような感覚を覚えながら、その空間に身を委ねれば、きっと自分でも気づいていない新しい扉が開くはず。不必要なようで、必要な店「Essential Store」。大阪で、日本で、いま一番体験した方がいいお店は、間違いなくここである。



Essential Store
〒553-0003
大阪府大阪市福島区福島8丁目4−22
オープン日:不定期

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「YUGE FABRIC FARM」からピックした
デッドストック生地をセットした
スペシャルプロダクツ。

大阪市福島区。古くから残る街角に佇む、看板も何もない一軒家。全国から人が訪れるお店「Essential Store」は、一言で説明できるものではない。見た人、触れた人、感じた人。それぞれの感性と感情を揺さぶり、その余韻はいつまでも続く。一度足を踏み入れれば、脳がぐるりと回転し、持ち合わせた価値観さえも土台から揺るがされるような感覚になる無二の空間であり、未知との遭遇へと僕たちを導いてくれる。その「Essential Store」が数年前から手掛けているのが、今回のコラボレーションのパートナーとなった「YUGE FABRIC FARM」。業界内にある古いしきたりや常識を超えて、世が見逃してきたデッドストックの生地にスポットを当て、現代へとアプローチする新しい概念の“生地屋”であり、“手芸屋”だ。その膨大なラインナップの中から「UNION」がピックアップしたのは、広島・福山市にて生まれた“備後絣”のデッドストック生地と、愛知県・一宮市のメーカーからレスキューした'80sのオーダーメイドスーツ用のデッドストック生地。ふたつの古い生地を、いまのストリートへと蘇らせたプロダクトは、どれも美しい風合いをまとった、スペシャルな仕上がりに。「YUGE FABRIC FARM」とは? 「Essential Store」とは? 滅多にメディアには露出されない両者の貴重なリポートとともに、コラボレーションの全容をお届けする。



UNION × YUGE FABRIC FARM COLELC




STAFF
Edit : Yuji Iwai @yujiiwai_8891
Photo : Hiroshi Nakamura @nkmrhrsi



What’s YUGE FABRIC FARM ?




生地業者の常識を覆す、
NEWタイプの“手芸屋”。

古いもの、誰も目にかけていないもの、磨けば光るもの。僕たちが気づきもしないような事柄や物を拾い上げ、世の中に新しい価値観として再定義する。のちに紹介する「Essential Store」が長きに渡って続けてきた美しいストーリーが、この「YUGE FABRIC FARM」にも投影される。アメリカでの買付が基本だった「Essential Store」だが、コロナ期をきっかけに日本の市場を掘り出した矢先に届いた、兵庫県のとある生地業者の廃業の知らせ。そこに大量に眠っていた多くの美しい生地を手にした時、その可能性にひらめく。もともと、何かに焦点を絞り、掘り起こすように集めるのは大の得意。その機を逃さず、集めに集めた日本に眠るデッドストックの美しい生地に、新しい光を当てられないか。生地を集めながらも、独自の管理システムを構築するのに要した歳月は2年。いまでは10万メートルを超える在庫を完璧にコントロールし、様々なブランドへの生地提供や、一般のお客さんへの販売も行っている。そのラインナップは、古いものでは'70s〜'80s、'90s〜'00sのものもあり、日本のものはもちろん、ヨーロッパからのインポートものも多く揃う。今までの生地を扱う業界ではNGとされてきた常識外の品揃えも魅力で、例えば、残りのメートル数が少ない、いわゆる“見切りもの”も、クオリティが高いものであればストック。少量であっても一点もののプロダクトになったり、貴重なものとして扱うように。さらに、洋服に使う生地だけではなく、ソファや椅子、カーテンなどに使われるインテリア用の生地もあり、それらを同時に見られる貴重な“生地屋”として、密かに注目を集めている。





そんな「YUGE FABRIC FARM」の膨大なデッドストックのラインナップの中から、「UNION」がピックアップしたのは二つの生地。主にジャケットとパンツに使用されたのは、広島県・福山市で1890年代から始まったとされる工場で発掘した“備後絣”のデッドストック。備後絣は、江戸時代から160年もの間、受け継がれてきたもので、日本三大絣のひとつ。繊維の中心が空洞になっているため、冬には暖かい空気が放出されにくく、夏には吸湿性に優れているためサラッとした着用感で楽しめる。また、綿100%ゆえ、着れば着るほどに経年変化で味わいが増し、肌馴染みも良くなっていくのが特徴。古いシャトル織機で織られた温もりのある風合いは、他にはない佇まいを約束してくれる。そして、シャツに使用されたのは、生地の名産地でもある愛知県・一宮市にて1844年より続いてきたメーカー<渡彦毛織>のデッドストック生地。オーダーメイドのスーツに使用される生地で、同社が所有する、古いドイツ製撚糸機とションヘル織機で織られた高級生地“WATAHIKOTEX”をピックアップ。ハリがあり、光沢感のある高級な質感を生かした、独特のムードをまとうシャツに仕上がった。ともに、いまではなかなか見ることのできない貴重なデッドストックの生地を、「UNION」ならではの美しいカジュアルウエアへと昇華したプロダクトに着地。新と旧、日本とアメリカ、さまざまなカルチャーがクロスオーバーした必見のラインナップとなった。





What’s Essential Store ?




説明の言葉は不必要。
必要な体験が揃う異空間。


ギャラリー? 雑貨屋? またはキュレーターズショップ? 既存の定義にカテゴライズをしたり、形容詞を付けることさえ難しく、見た人、訪れた人、それぞれの感覚で捉えるべき場所というものは、そんなに多くない。「Essential Store」に足を踏み入れた人からよく聞くのは、“とにかくすごい”、“見た方がいい”、といった感情的な言葉だったりする。






ファッションやカルチャーに造詣が深い人たちに限って形容する言葉を失い、その感動を誰かに感情的に伝えようとする。それほどに理解不能、科学的にその美意識を解明することは難しく、言葉で語れば語るほどに、本質から遠のいていく気がしてしまう。一体どこで見つけてきたのかと思うような小さなものから、歴史の隅っこで静かに佇んでいるアート、どこかの子供が作ったであろうオブジェクト。アメリカや日本で店主が見つけてきたアノニマスなプロダクトが並ぶ様は、眺めているだけでも動悸がする。コロナ期を経て、拡大された空間は、まるで迷路のような作りになっていて、さらにその世界が拡張された。いま、日本に、これだけ人の感性・感覚・感情を揺さぶる店は無いのではないだろうか。単純にそう思う。



期間を限定した入札形式でアートやオブジェクトを販売する“サイレントオークション”や、日本の紙ものに特化した“紙屑倶楽部”など、エポックメイクなコンテンツもあり、さながら何かの研究機関のような独自のプレゼンテーションにも驚かされてばかり。古きを知り、愛で、埋もれたものに光を当て、忘れていた感覚や、新しい価値観を提示する。何年前に、誰が作ったかもわからないようなものが忘れられない買い物になる。自分自身の意識と対話するような感覚を覚えながら、その空間に身を委ねれば、きっと自分でも気づいていない新しい扉が開くはず。不必要なようで、必要な店「Essential Store」。大阪で、日本で、いま一番体験した方がいいお店は、間違いなくここである。



Essential Store
〒553-0003
大阪府大阪市福島区福島8丁目4−22
オープン日:不定期


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