JINGUMAE CURRY CONNECTION #2 BLOCK HOUSE 水曜カレー

JINGUMAE CURRY CONNECTION #2 BLOCK HOUSE 水曜カレー

UNION TOKYOのホームにして、多くの名店がひしめくカレーのメッカ、渋谷区神宮前。そんな神宮前の街を舞台に、服と食との垣根を超えて展開するクロスオーバープロジェクト、UNION JINGUMAE CURRY CONNECTION。ここでは、本プロジェクトに参画するカレーショップ5店舗を深堀り。第2弾は、毎週水曜日だけしか営業しないカレーショップ、『BLOCK HOUSE 水曜カレー』。



読んで字のごとく、『BLOCK HOUSE 水曜カレー』は毎週水曜日にしか営業しない、近辺でもひと際レアなカレーショップ。しかしながら、昨今流行りの間借りカレーではない。オーナーシェフの高木さんは、この都内でも1等地と言える物件を自身で契約しながらも、週1回だけの営業という業態をとっている。
「まぁ、あえてってわけでもないんです。設備的な問題もあり、現実的に週1が限度なんです。ウチは基本的に、その時々の旬の食材を使うようにしていて、大体はボクが住んでいる逗子の方の食材なんですが、自分の目で見て、触れて、しっかり納得できるものだけを都度都度えらんで使っています。だから材料がいつも違うし、合わせてレシピも毎週変わるので、作り置きもできない。もちろん、メニューを絞って固定化してしまえば、もっと効率的にできるんでしょうけどね。でも決まったことだけをやり続けるのは性格的にも向いてないし、なんていうか、常にアップデートし続けていきたいんです」。



その言葉どおり、高木さんが作るカレーは極めて独創的。提供されるメニューは大まかに、魚系、肉系、野菜系の3種類としているが、その中身は、季節や仕入れ、天気など、さまざまな要因でフレキシブルに考案されている。特にこの日は、世にも珍しい冷やしアジカレーに驚かされた。宮崎の郷土料理である冷や汁の要素も取り入れたという逸品は、まったくの未体験カレーであり、そして強烈に美味かった。
「冷やしカレーは夏の定番として出していて、中でも今日はいいアジが買えたので、漬けにして入れています。生魚を使うカレーなんて、例えばインドとかでは絶対ありえないんでしょうけどね。でもウチで使う魚は、基本すべて刺し身で食べられるレベルなので。魚に限らず、食材の鮮度にはこだわっています」。



冷やしアジカレーに限らず、常に型にはまらないカレーを創作する高木さんだが、気になるのはそのルーツ。どのようにして現在のスタイルにたどり着いたのか。
「正直、個人的にはそれほどカレーに強い想いがあるわけではないんです。だけど料理は元々好きで、学生時代のフランス料理屋でのアルバイトから、ずっと飲食業に携わってきました。その後、段々とメニューや店舗のプロデュース側に回りだして、自ら料理をする機会もあまりなくなっていくんですが、10年弱くらい前に、やっぱり自分でも料理を作って提供したい、と思うようになって。ちょうどその頃、当時の仕事のパートナーがカレーにハマっていて、南インドのミールスなど、何軒か一緒に食べに行ったんです。そこで、これはちょっと面白いかも、と思うようになり、なんとなく自分でも作り始めたのがきっかけですね。とはいえどこかで修行をしたわけでもなくて、完全に自己流。今でこそカレーやスパイスの本って色々ありますが、当時は全然ありませんでしたから、インドだろうがスリランカだろうがネパールだろうが、とにかくネットから情報を仕入れて、それまで培ってきた自分の知識やスキルも織り交ぜて、ただただ自分が美味しいと感じるカレーを追い求めました。そんなタイミングで、今のこの物件が水曜日だけ空いていることを知り、間借りで使わせてもらうようになったんです。それが『水曜カレー』の始まり。だけどさっきも言ったように、別で本業もありましたからね。単純に、近くで働いている友達が集まる場所になればいいな、くらいの考えでした」。



そうして始まった『水曜カレー』だが、スタートからわずか1年後、本業が忙しくなりすぎたため、一旦閉店。多くのファンから惜しまれつつも、約6年にもわたり休眠する。そして2021年、自身の仕事のあり方や今後の人生を見つめ直し、改めて自分の手で飲食店を運営しようと決意。満を持して『水曜カレー』を復活させる。場所は、当時と同じ場所。しかし今度は間借りではなく、自らの責任下で物件を契約し、当時よりもさらに精度を高めたオリジナルカレーを提供している。
「ボクはカレーを、人が集うためのツールだと思っています。なぜかと言うと、色々な料理を作ってきましたけど、やっぱりカレーが1番喜ばれるんです。そこで意識していることがひとつあって、それは、カレーマニアのためだけのカレーは作らないということ。マニアックになればなるほど、その道の人達にしかわからない味の方向性やスパイスの使い方などがあるんです。でもボクはカレーをコミュニケーションの道具だと思っていますから、可能な限り多くの方に、それこそカレーが好きじゃない方にも美味しいと感じてもらいたいんです。だから例えば、今日の冷やしカレーが冷や汁をヒントにしたっていうのもそうですけど、みなさんが馴染みのある味にしようとしている部分はありますね。そしてなにより、カレーにはそれを許容する幅があるんです。特にボクの場合は絶対的なカレーの作り方を取っていないので、すごく遊べるんです。極端に言うと、カレーを作っているというよりも、カレーっぽいなにかを作っている、という感覚の方が近いかもしれません(笑)」。



余談だが、高木さんは多摩美術大学の出身。『水曜カレー』で展開されるクリエイティブなメニューとこだわりはきっと、そんな生来の作家気質にも由来することなんだと推測する。毎週ごとに更新されるデザインが行き届いたメニュー表も自身で手作りしているそうで、店舗には歴代のメニュー表が収録されたファイルもあり、こちらも見応え充分。また今年の3月からは、木金土曜のみ営業する居酒屋形態の同地別名店舗、『SHUSAN』も展開。カレーという枠組みから外れて、さらに自由に創作されるメニューの数々は、食好きならぜひ一度体験してほしい。



そしてこちらが、UNION JINGUMAE CURRY CONNECTIONの企画にてリリースされるスペシャルTシャツ。デザインを担当したのは、『MIN-NANO』を主宰するGOROさん。聞けば2人の付き合いはすこぶる長く、高木さんが上京してからできた、初めての東京の友達のひとりというほど。 「ボクがまだ予備校に通ってた時代からの付き合いなので、GOROちゃんとはもう30年弱の付き合いになります。胸のプリントは、『MIN-NANO』のロゴとウチのロゴ(下記外観ネオン写真)を、彼のアイディアで合わせてくれたグラフィックですね」。



現在『水曜カレー』は、予約制度やローカルタイムを取り入れながら、来店者をコントロールしている。その裏には、高木さんが当初描いていた店舗のあり方に、少しでも近づけたいという想いがあるそう。
「ある時期からお客さまがすごく増えてしまい、行列ができるようになったんです。嬉しいことではあるのですが、その影響で、それまで普通に来てくれていた近隣の方々が来にくくなってしまったり、ご近所さんにもご迷惑をおかけすることになってしまいました。だから今は、予約可能な時間(13:30/14:00/14:30)を設け、加えて12:00〜12:15は渋谷区在住&在勤の方々限定のローカルタイムとして営業しています。ボクとしては、もちろん美味しいものを提供するのは大前提ですが、カレーをツールとしてこの場所を作っているという感覚が強いので、少しでもみなさんに快適に楽しんでもらいたいんです。カレーだけではなくて、少しでもそういった想いも伝わってくれると嬉しいですね」。
※予約方法は公式IG内ハイライト参照

<< SHOP DATA>>
BLOCK HOUSE 水曜カレー
渋谷区神宮前6-12-9 BLOCK HOUSE 3F
@blockhouse_wednesdaycurry







PRICE
¥8,800

RELEASE
2024/07/31 (WED)

DESIGNED BY
MIN-NANO
世田谷区北沢1-31-3 102
世田谷区北沢1-43-14 1F
@minnnanoo
min-nano.net

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UNION TOKYOのホームにして、多くの名店がひしめくカレーのメッカ、渋谷区神宮前。そんな神宮前の街を舞台に、服と食との垣根を超えて展開するクロスオーバープロジェクト、UNION JINGUMAE CURRY CONNECTION。ここでは、本プロジェクトに参画するカレーショップ5店舗を深堀り。第2弾は、毎週水曜日だけしか営業しないカレーショップ、『BLOCK HOUSE 水曜カレー』。



読んで字のごとく、『BLOCK HOUSE 水曜カレー』は毎週水曜日にしか営業しない、近辺でもひと際レアなカレーショップ。しかしながら、昨今流行りの間借りカレーではない。オーナーシェフの高木さんは、この都内でも1等地と言える物件を自身で契約しながらも、週1回だけの営業という業態をとっている。
「まぁ、あえてってわけでもないんです。設備的な問題もあり、現実的に週1が限度なんです。ウチは基本的に、その時々の旬の食材を使うようにしていて、大体はボクが住んでいる逗子の方の食材なんですが、自分の目で見て、触れて、しっかり納得できるものだけを都度都度えらんで使っています。だから材料がいつも違うし、合わせてレシピも毎週変わるので、作り置きもできない。もちろん、メニューを絞って固定化してしまえば、もっと効率的にできるんでしょうけどね。でも決まったことだけをやり続けるのは性格的にも向いてないし、なんていうか、常にアップデートし続けていきたいんです」。



その言葉どおり、高木さんが作るカレーは極めて独創的。提供されるメニューは大まかに、魚系、肉系、野菜系の3種類としているが、その中身は、季節や仕入れ、天気など、さまざまな要因でフレキシブルに考案されている。特にこの日は、世にも珍しい冷やしアジカレーに驚かされた。宮崎の郷土料理である冷や汁の要素も取り入れたという逸品は、まったくの未体験カレーであり、そして強烈に美味かった。
「冷やしカレーは夏の定番として出していて、中でも今日はいいアジが買えたので、漬けにして入れています。生魚を使うカレーなんて、例えばインドとかでは絶対ありえないんでしょうけどね。でもウチで使う魚は、基本すべて刺し身で食べられるレベルなので。魚に限らず、食材の鮮度にはこだわっています」。



冷やしアジカレーに限らず、常に型にはまらないカレーを創作する高木さんだが、気になるのはそのルーツ。どのようにして現在のスタイルにたどり着いたのか。
「正直、個人的にはそれほどカレーに強い想いがあるわけではないんです。だけど料理は元々好きで、学生時代のフランス料理屋でのアルバイトから、ずっと飲食業に携わってきました。その後、段々とメニューや店舗のプロデュース側に回りだして、自ら料理をする機会もあまりなくなっていくんですが、10年弱くらい前に、やっぱり自分でも料理を作って提供したい、と思うようになって。ちょうどその頃、当時の仕事のパートナーがカレーにハマっていて、南インドのミールスなど、何軒か一緒に食べに行ったんです。そこで、これはちょっと面白いかも、と思うようになり、なんとなく自分でも作り始めたのがきっかけですね。とはいえどこかで修行をしたわけでもなくて、完全に自己流。今でこそカレーやスパイスの本って色々ありますが、当時は全然ありませんでしたから、インドだろうがスリランカだろうがネパールだろうが、とにかくネットから情報を仕入れて、それまで培ってきた自分の知識やスキルも織り交ぜて、ただただ自分が美味しいと感じるカレーを追い求めました。そんなタイミングで、今のこの物件が水曜日だけ空いていることを知り、間借りで使わせてもらうようになったんです。それが『水曜カレー』の始まり。だけどさっきも言ったように、別で本業もありましたからね。単純に、近くで働いている友達が集まる場所になればいいな、くらいの考えでした」。



そうして始まった『水曜カレー』だが、スタートからわずか1年後、本業が忙しくなりすぎたため、一旦閉店。多くのファンから惜しまれつつも、約6年にもわたり休眠する。そして2021年、自身の仕事のあり方や今後の人生を見つめ直し、改めて自分の手で飲食店を運営しようと決意。満を持して『水曜カレー』を復活させる。場所は、当時と同じ場所。しかし今度は間借りではなく、自らの責任下で物件を契約し、当時よりもさらに精度を高めたオリジナルカレーを提供している。
「ボクはカレーを、人が集うためのツールだと思っています。なぜかと言うと、色々な料理を作ってきましたけど、やっぱりカレーが1番喜ばれるんです。そこで意識していることがひとつあって、それは、カレーマニアのためだけのカレーは作らないということ。マニアックになればなるほど、その道の人達にしかわからない味の方向性やスパイスの使い方などがあるんです。でもボクはカレーをコミュニケーションの道具だと思っていますから、可能な限り多くの方に、それこそカレーが好きじゃない方にも美味しいと感じてもらいたいんです。だから例えば、今日の冷やしカレーが冷や汁をヒントにしたっていうのもそうですけど、みなさんが馴染みのある味にしようとしている部分はありますね。そしてなにより、カレーにはそれを許容する幅があるんです。特にボクの場合は絶対的なカレーの作り方を取っていないので、すごく遊べるんです。極端に言うと、カレーを作っているというよりも、カレーっぽいなにかを作っている、という感覚の方が近いかもしれません(笑)」。



余談だが、高木さんは多摩美術大学の出身。『水曜カレー』で展開されるクリエイティブなメニューとこだわりはきっと、そんな生来の作家気質にも由来することなんだと推測する。毎週ごとに更新されるデザインが行き届いたメニュー表も自身で手作りしているそうで、店舗には歴代のメニュー表が収録されたファイルもあり、こちらも見応え充分。また今年の3月からは、木金土曜のみ営業する居酒屋形態の同地別名店舗、『SHUSAN』も展開。カレーという枠組みから外れて、さらに自由に創作されるメニューの数々は、食好きならぜひ一度体験してほしい。



そしてこちらが、UNION JINGUMAE CURRY CONNECTIONの企画にてリリースされるスペシャルTシャツ。デザインを担当したのは、『MIN-NANO』を主宰するGOROさん。聞けば2人の付き合いはすこぶる長く、高木さんが上京してからできた、初めての東京の友達のひとりというほど。 「ボクがまだ予備校に通ってた時代からの付き合いなので、GOROちゃんとはもう30年弱の付き合いになります。胸のプリントは、『MIN-NANO』のロゴとウチのロゴ(下記外観ネオン写真)を、彼のアイディアで合わせてくれたグラフィックですね」。



現在『水曜カレー』は、予約制度やローカルタイムを取り入れながら、来店者をコントロールしている。その裏には、高木さんが当初描いていた店舗のあり方に、少しでも近づけたいという想いがあるそう。
「ある時期からお客さまがすごく増えてしまい、行列ができるようになったんです。嬉しいことではあるのですが、その影響で、それまで普通に来てくれていた近隣の方々が来にくくなってしまったり、ご近所さんにもご迷惑をおかけすることになってしまいました。だから今は、予約可能な時間(13:30/14:00/14:30)を設け、加えて12:00〜12:15は渋谷区在住&在勤の方々限定のローカルタイムとして営業しています。ボクとしては、もちろん美味しいものを提供するのは大前提ですが、カレーをツールとしてこの場所を作っているという感覚が強いので、少しでもみなさんに快適に楽しんでもらいたいんです。カレーだけではなくて、少しでもそういった想いも伝わってくれると嬉しいですね」。
※予約方法は公式IG内ハイライト参照

<< SHOP DATA>>
BLOCK HOUSE 水曜カレー
渋谷区神宮前6-12-9 BLOCK HOUSE 3F
@blockhouse_wednesdaycurry



PRICE
¥8,800

RELEASE
2024/07/31 (WED)

DESIGNED BY
MIN-NANO
世田谷区北沢1-31-3 102
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