昨今、日本でも議論の的となる機会が増えたウィードカルチャー。その先進エリアであるアメリカ西海岸にて、ミニマルでシンプルなオリジナルプロダクトを中心に、アパレル、アクセサリー、各種グッズなど、ウィードをテーマにしたさまざまなアイテムを取り扱うライフスタイルショップ、MISTER GREEN LIFE STORE。フッドの仲間として親交の深いUNIONでも、TOKYOショップ4周年を記念したコラボレーションシリーズを展開。そんな同店オーナーARIEL STARKへのインタビューを実施した。
―まずは自己紹介と自身のキャリアについて教えてください。
MISTER GREENのオーナー、ファウンダー、リードデザイナー、クリエイティブディレクター、ARIEL STARKです。キャリアのスタートは、NYのACE HOTELから。そこで同ホテルの共同創業者である故ALEX CALDERWOODの下、オリジナルプロダクトやコラボレーションプロダクトの生産管理者として、多くの刺激的な人々とのネットワークを作りながら12〜13年ほど働きました。その後、半年ほど東京で生活をしてからLAに移住。MISTER GREENを立ち上げて、現在に至ります。
―どんな青春時代を過ごし、どのようにカルチャーに関わってきたのか教えてください。
出身はオレゴン州ポートランド。特に私が育ったエリアにはヘッドショップがたくさんあり、まだ“悪いこと”に興味があった10代の自分にとっては、とても刺激的な場所でした。自然とそれらのショップのクルーたちとも仲良くなり、どんどんとウィードカルチャーが好きになっていく一方で、いわゆるオールドスクールなヒッピースタイルとは違った、新しい魅せ方のアイデアはないものかと考えていました。それが、今のMISTER GREENの世界観。直球のウィードグラフィックやBOB MARLEY、タイダイといったイメージではなく、クリーンでミニマルなデザインプロダクト。もちろん従来のスタイルも好きだし、敬意を持っていますよ。JACK HERERのようなカウンターカルチャーに貢献した人物をはじめ、BOB MARLEY、JACK KEROUAC、HUNTER S. THOMPSONなど、ウィードが生活の一部としてありながら、広くアメリカンカルチャーに影響をもたらした人々にはとても強く感化されましたからね。
―ウィードカルチャーへの想いと、クリエイティブへの影響は?
ひと言にウィードカルチャーといっても、ヒッピーや音楽、ファッション、アートなど、そこにはたくさんの関連カルチャーが存在します。またウィード愛好家も、オープンにする人、隠す人、アクセサリー化している人、人生を豊かにするための嗜好品として捉える人など、実にさまざま。そのように、それぞれ異なるカタチでウィードと向き合う人々を、MISTER GREENの商品を通じて繋げていくことが、自分たちのゴールだと考えています。私たちの商品は、一見ウィードカルチャーに紐づくモノだとは、わかりにくいかもしれません。だからこそ多くの人々の手にとってもらえるし、日本のファンのようなウィードを吸わない人でも、シンプルにデザインを気に入ってフォローしてくれる。そういった私たちのプロダクトをきっかけに、ウィードへの対しての偏見や悪いイメージが払拭できたらいいですね。
―アイテム作りを通して表現したいことや、伝えたいメッセージはありますか?
歴史的なイベントや背景、例えば今なら、『平和・反戦』などのメッセージを伝えていきたいと考えています。あるいは、パーソナルな思い出や意味のある言葉、幼少期に両親に言われた言葉など。特に私の場合は母がアクティビストだったため、幼いころからデモや反戦活動などに参加していたことが大きいかもしれません。例えば前シーズンの“NUCLEAR ARMS Tシャツ”に掲げた“YOU CAN’T HUG A CHILD WITH NUCLEAR ARMS”というワードは、実際にそのストライキで使われたグッズにあったメッセージを、オリジナルフォントなどでリデザインしたモノでした。
―現在のウィードシーンにおいて、MISTER GREENの立ち位置とは?
ウィード愛好家であるからといってMISTER GREENを知っているわけでもなければ、MISTER GREENのフォロワーすべてがウィード愛好家ということでもありません。中には、ウィード自体には否定的でも、デザインが良いから商品を購入してくれているという、日本のファンのような方々も多くいます。そういう意味でMISTER GREENは、ウィードシーンと、デザインおよびアートシーンの間に位置づける存在だと感じています。
―個人として、ブランドとして、いま注力している事柄は?
個人的には、コロナ禍以降で一部ヘイトの対象となっているアジアンアメリカンコミュニティーへのサポートに力を入れています。ブランドとしては、ウィードに関しての法律や社会的状況を変えることへ貢献すること。ウィードにより不当に刑務所に入れられているブラックあるいはヒスパニックコミュニティーなど、変えなくてはならない状況はたくさんありますからね。ですが私たちは、ビジネスとしてそれらを公表し、マーケティングのパフォーマンスとすることには興味がありません。最近では、LGBTQやBLMなどをマーケティングの一環として公言する企業も増えています。もちろんそれ自体を悪いことだとは思いませんが、私としてはビジネスのために社会貢献を使うのではなく、どちらかというと、人々の社会貢献意識をインスパイアするブランドでいたいと考えています。
―これからの時代に、ウィードにまつわるライフスタイルブランドとして在るべき姿、果たすべき社会責任とは?
まずはウィードのネガティブイメージを変えること。特に日本のようにウィード自体が違法な国ではネガティブイメージが顕著ですが、私たちはそれが完全な現実であるとは考えていません。だけどもし仮に、ウィードが当たり前のモノになりすぎてしまったとしたら、それはそれで私たちのユニークさや面白さが半減することにもなるから、ブランド的にはオイシくないとも言えますけどね(笑)。とにかくMISTER GREENとしては、人々の視野が広がることに役立てれば嬉しいです。
―今回のUNIONとのコラボレーションコレクションのテーマやコンセプトは?
MISTER GREENの過去作でもあるペイントパンツなど、私たちならではのアブストラクトなエッセンスと、“KNOW THE LEDGE”を筆頭としたUNIONならではのオールドスクールなエッセンスをマッシュアップすることを意識しました。中でも特に、ラインナップのひとつである“GATOR TEE”は気に入っていますね。
―最後に、あなたにとってウィードがあるライフスタイルとは?
私はいつも、できる限り人生を楽しみたいと考えていて、異なるカルチャーを体験すること、自然と触れ合うこと、食べることなど、人生を豊かにする経験が大好きです。そしてそれらの経験は、ウィードの延長線上でさらに素晴らしいモノになるし、とても贅沢なことだと考えています。だから私にとってウィードは、あくまで娯楽としての嗜好品であって、決してウィードがないと生きられない、というわけではありません。もちろん、世の中にはメンタルヘルスの維持のためにウィードを活用している人がいることも理解していますが、あくまで私個人としては、人生をさらに豊かにするためのひとつのツールだと考えています。
Release Date
2022/4/24 (SUN)
UNION TOKYO STORE OPENING HOUR:12PM JST
2022/4/30 (SAT)
UNION TOKYO ONLINE STORE・ZOZOTOWN STORE:9AM JST
Item
昨今、日本でも議論の的となる機会が増えたウィードカルチャー。その先進エリアであるアメリカ西海岸にて、ミニマルでシンプルなオリジナルプロダクトを中心に、アパレル、アクセサリー、各種グッズなど、ウィードをテーマにしたさまざまなアイテムを取り扱うライフスタイルショップ、MISTER GREEN LIFE STORE。フッドの仲間として親交の深いUNIONでも、TOKYOショップ4周年を記念したコラボレーションシリーズを展開。そんな同店オーナーARIEL STARKへのインタビューを実施した。
―まずは自己紹介と自身のキャリアについて教えてください。
MISTER GREENのオーナー、ファウンダー、リードデザイナー、クリエイティブディレクター、ARIEL STARKです。キャリアのスタートは、NYのACE HOTELから。そこで同ホテルの共同創業者である故ALEX CALDERWOODの下、オリジナルプロダクトやコラボレーションプロダクトの生産管理者として、多くの刺激的な人々とのネットワークを作りながら12〜13年ほど働きました。その後、半年ほど東京で生活をしてからLAに移住。MISTER GREENを立ち上げて、現在に至ります。
―どんな青春時代を過ごし、どのようにカルチャーに関わってきたのか教えてください。
出身はオレゴン州ポートランド。特に私が育ったエリアにはヘッドショップがたくさんあり、まだ“悪いこと”に興味があった10代の自分にとっては、とても刺激的な場所でした。自然とそれらのショップのクルーたちとも仲良くなり、どんどんとウィードカルチャーが好きになっていく一方で、いわゆるオールドスクールなヒッピースタイルとは違った、新しい魅せ方のアイデアはないものかと考えていました。それが、今のMISTER GREENの世界観。直球のウィードグラフィックやBOB MARLEY、タイダイといったイメージではなく、クリーンでミニマルなデザインプロダクト。もちろん従来のスタイルも好きだし、敬意を持っていますよ。JACK HERERのようなカウンターカルチャーに貢献した人物をはじめ、BOB MARLEY、JACK KEROUAC、HUNTER S. THOMPSONなど、ウィードが生活の一部としてありながら、広くアメリカンカルチャーに影響をもたらした人々にはとても強く感化されましたからね。
―ウィードカルチャーへの想いと、クリエイティブへの影響は?
ひと言にウィードカルチャーといっても、ヒッピーや音楽、ファッション、アートなど、そこにはたくさんの関連カルチャーが存在します。またウィード愛好家も、オープンにする人、隠す人、アクセサリー化している人、人生を豊かにするための嗜好品として捉える人など、実にさまざま。そのように、それぞれ異なるカタチでウィードと向き合う人々を、MISTER GREENの商品を通じて繋げていくことが、自分たちのゴールだと考えています。私たちの商品は、一見ウィードカルチャーに紐づくモノだとは、わかりにくいかもしれません。だからこそ多くの人々の手にとってもらえるし、日本のファンのようなウィードを吸わない人でも、シンプルにデザインを気に入ってフォローしてくれる。そういった私たちのプロダクトをきっかけに、ウィードへの対しての偏見や悪いイメージが払拭できたらいいですね。
―アイテム作りを通して表現したいことや、伝えたいメッセージはありますか?
歴史的なイベントや背景、例えば今なら、『平和・反戦』などのメッセージを伝えていきたいと考えています。あるいは、パーソナルな思い出や意味のある言葉、幼少期に両親に言われた言葉など。特に私の場合は母がアクティビストだったため、幼いころからデモや反戦活動などに参加していたことが大きいかもしれません。例えば前シーズンの“NUCLEAR ARMS Tシャツ”に掲げた“YOU CAN’T HUG A CHILD WITH NUCLEAR ARMS”というワードは、実際にそのストライキで使われたグッズにあったメッセージを、オリジナルフォントなどでリデザインしたモノでした。
―現在のウィードシーンにおいて、MISTER GREENの立ち位置とは?
ウィード愛好家であるからといってMISTER GREENを知っているわけでもなければ、MISTER GREENのフォロワーすべてがウィード愛好家ということでもありません。中には、ウィード自体には否定的でも、デザインが良いから商品を購入してくれているという、日本のファンのような方々も多くいます。そういう意味でMISTER GREENは、ウィードシーンと、デザインおよびアートシーンの間に位置づける存在だと感じています。
―個人として、ブランドとして、いま注力している事柄は?
個人的には、コロナ禍以降で一部ヘイトの対象となっているアジアンアメリカンコミュニティーへのサポートに力を入れています。ブランドとしては、ウィードに関しての法律や社会的状況を変えることへ貢献すること。ウィードにより不当に刑務所に入れられているブラックあるいはヒスパニックコミュニティーなど、変えなくてはならない状況はたくさんありますからね。ですが私たちは、ビジネスとしてそれらを公表し、マーケティングのパフォーマンスとすることには興味がありません。最近では、LGBTQやBLMなどをマーケティングの一環として公言する企業も増えています。もちろんそれ自体を悪いことだとは思いませんが、私としてはビジネスのために社会貢献を使うのではなく、どちらかというと、人々の社会貢献意識をインスパイアするブランドでいたいと考えています。
―これからの時代に、ウィードにまつわるライフスタイルブランドとして在るべき姿、果たすべき社会責任とは?
まずはウィードのネガティブイメージを変えること。特に日本のようにウィード自体が違法な国ではネガティブイメージが顕著ですが、私たちはそれが完全な現実であるとは考えていません。だけどもし仮に、ウィードが当たり前のモノになりすぎてしまったとしたら、それはそれで私たちのユニークさや面白さが半減することにもなるから、ブランド的にはオイシくないとも言えますけどね(笑)。とにかくMISTER GREENとしては、人々の視野が広がることに役立てれば嬉しいです。
―今回のUNIONとのコラボレーションコレクションのテーマやコンセプトは?
MISTER GREENの過去作でもあるペイントパンツなど、私たちならではのアブストラクトなエッセンスと、“KNOW THE LEDGE”を筆頭としたUNIONならではのオールドスクールなエッセンスをマッシュアップすることを意識しました。中でも特に、ラインナップのひとつである“GATOR TEE”は気に入っていますね。
―最後に、あなたにとってウィードがあるライフスタイルとは?
私はいつも、できる限り人生を楽しみたいと考えていて、異なるカルチャーを体験すること、自然と触れ合うこと、食べることなど、人生を豊かにする経験が大好きです。そしてそれらの経験は、ウィードの延長線上でさらに素晴らしいモノになるし、とても贅沢なことだと考えています。だから私にとってウィードは、あくまで娯楽としての嗜好品であって、決してウィードがないと生きられない、というわけではありません。もちろん、世の中にはメンタルヘルスの維持のためにウィードを活用している人がいることも理解していますが、あくまで私個人としては、人生をさらに豊かにするためのひとつのツールだと考えています。
Release Date
2022/4/24 (SUN)
UNION TOKYO STORE OPENING HOUR:12PM JST
2022/4/30 (SAT)
UNION TOKYO ONLINE STORE・ZOZOTOWN STORE:9AM JST
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