INTERVIEW WITH “NICHOLAS DALEY”

INTERVIEW WITH “NICHOLAS DALEY”

『UNION』と親交の深いブランドをピックアップし、彼らの背景や最新コレクションのバックボーンを紐解くスペシャルインタビュー企画。

Nicholas Daley(ニコラス・デイリー)は、ジャマイカ系イギリス人のNicholasが自身の名を冠し展開する、ロンドン発のブランド。サヴィル・ロウでの経験から生まれる確かなテーラリング技術と文化的表現のマッシュアップは、何万枚もの洋服を見てきた有識者さえも虜にしている。

『UNION』と親交の深いブランドをピックアップし、彼らの背景や最新コレクションのバックボーンを紐解くスペシャルインタビュー企画。

Nicholas Daley(ニコラス・デイリー)は、ジャマイカ系イギリス人のNicholasが自身の名を冠し展開する、ロンドン発のブランド。サヴィル・ロウでの経験から生まれる確かなテーラリング技術と文化的表現のマッシュアップは、何万枚もの洋服を見てきた有識者さえも虜にしている。



ーはじめに、Nicholasのこれまでの経歴と共に、Nicholas Daleyのイントロダクションをお願いします。

2013年にロンドンのセントラル・セント・マーチンズを卒業後、最初のコレクションを発表し、それが『International Gallery BEAMS』の目に止まったことが僕のキャリアのスタートです。2018年からはロンドン・ファッション・ウィークに参加し、2020年にはLVMHプライズのファイナリストにも選出され、同郷のFred Perryやadidasとも継続的なコラボレーションを実施しています。

Nicholas Daleyには“異なる文化を超えたコミュニティ”というコアバリューがあり、ショーやコレクション、作品を介してその人々と交わることを大切にしています。それらのカルチャーは、僕自身のアイデンティティでもあるんです。


僕はイギリス育ちですが、母はスコットランド出身、父はジャマイカ出身(以下写真)のため、両親のルーツである2つの文化の多様性やクラフトマンシップに敬意を示し、コレクションに反映させてきました。ファブリック、ハンドメイドシューズ、ハットなどの生産では、イギリスの工場と協力し、デッドストックの素材や天然染料、天然素材を使った手編みのスタイルやアクセサリーなど、サステイナブルであることにも努めています。



ーはじめに、Nicholasのこれまでの経歴と共に、Nicholas Daleyのイントロダクションをお願いします。

2013年にロンドンのセントラル・セント・マーチンズを卒業後、最初のコレクションを発表し、それが『International Gallery BEAMS』の目に止まったことが僕のキャリアのスタートです。2018年からはロンドン・ファッション・ウィークに参加し、2020年にはLVMHプライズのファイナリストにも選出され、同郷のFred Perryやadidasとも継続的なコラボレーションを実施しています。

Nicholas Daleyには“異なる文化を超えたコミュニティ”というコアバリューがあり、ショーやコレクション、作品を介してその人々と交わることを大切にしています。それらのカルチャーは、僕自身のアイデンティティでもあるんです。


僕はイギリス育ちですが、母はスコットランド出身、父はジャマイカ出身(以下写真)のため、両親のルーツである2つの文化の多様性やクラフトマンシップに敬意を示し、コレクションに反映させてきました。ファブリック、ハンドメイドシューズ、ハットなどの生産では、イギリスの工場と協力し、デッドストックの素材や天然染料、天然素材を使った手編みのスタイルやアクセサリーなど、サステイナブルであることにも努めています。



ー民族的、音楽的なデザインは、Nicholas Daleyの真骨頂です。そうした表現をアウトプットするうえで、ものづくりの観点から一環しているコンセプトはありますか?

僕はいつも“本物”のストーリーを伝えたいと考えていて、無理に押し付けるのではなく、自然に感じられるようなリファレンスやアイデアを選択しています。毎シーズン、コレクションをひとつのファミリーのように捉えていて、どれも関連性があったり、似たようなテーマを有しています。これは、僕のデザインの信念であるコミュニティのクラフツマンシップや文化に通じ、コレクションやショー、映像作品の中で常に触れています。僕個人、ブランド、今後のコレクションにも欠かせないエッセンスなのです。



ー民族的、音楽的なデザインは、Nicholas Daleyの真骨頂です。そうした表現をアウトプットするうえで、ものづくりの観点から一環しているコンセプトはありますか?

僕はいつも“本物”のストーリーを伝えたいと考えていて、無理に押し付けるのではなく、自然に感じられるようなリファレンスやアイデアを選択しています。毎シーズン、コレクションをひとつのファミリーのように捉えていて、どれも関連性があったり、似たようなテーマを有しています。これは、僕のデザインの信念であるコミュニティのクラフツマンシップや文化に通じ、コレクションやショー、映像作品の中で常に触れています。僕個人、ブランド、今後のコレクションにも欠かせないエッセンスなのです。



ー『UNION』についての印象や共感できる価値観について教えてください。

ご存知の通り、僕のブランドは音楽やレコードなどに影響を受けていて、異なる文化間の交流や多文化主義の可能性、そこから生まれる相乗効果を強く信じています。それによって素晴らしいストーリーが生まれるはずで、そうした文化的な価値観に『UNION』との共通項を感じています。同じ価値観を持つストアと共に仕事をしていくことはとても重要で、この関係が今後のシーズンでも続いていくことを願っています。

ー『UNION』のオーナー、クリス・ギブスとの出会いはいつでしたか?

クリスとは、パリのファッション・ウィークで出会ってからすぐにクリエイティブな繋がりを感じたと記憶しています。僕は長年にわたり彼のストアや仕事を追いかけてきたし、ファッション、音楽、カルチャーをクロスオーバーする彼のストアと取り組みができたことは光栄でした。ロサンゼルスは、創造性に溢れる素晴らしい都市ですからね。

彼はロンドンの音楽シーンにも大変な関心を抱いていて、僕が一緒に仕事をしたSons Of KemetやYussef Dayesらについて、たくさん質問してくれました。人としても文化人としても、本当に素晴らしい人ですよね。

ー2022年春夏コレクションのテーマやコレクションについて伺います。今季はなぜ、キルティングに着目したのでしょうか?また、シンガーソングライターCaleb Kunleとの取り組みについても教えてください。

今回のコレクションは、フォークとブルース、そしてキルティングに着目した北米と英国におけるキルティングの歴史がテーマです。アイルランド育ちのCalebはナイジェリア出身で、彼はアイルランドの伝統的な民族音楽にブルースや西アフリカの音楽を融合しており、彼の音楽と作品には以前から注目していました。また、彼との取り組みには、彼と同じくイギリスを拠点にパワフルな仕事をしている若い才能を称え、彼らの活動にスポットライトを当てるという意味も込められています。

キルティングのスタイルは、イングランド北部に拠点を置くChris Englishと共にファブリックを制作し、デッドストックや端切れなどを再利用して、ユニークなスタイルを作り上げました。Calebとの音楽との相性も抜群だと思いませんか? また、イギリスやアメリカ南部のブラック・ディアスポラにおけるキルティングの用途や歴史も参考にしています。Richie HavensやDavid Grahamのようなミュージシャンから多くのインスピレーションを受けたので、彼らのようなミュージックアイコンにオマージュを捧げたいです。



ー『UNION』についての印象や共感できる価値観について教えてください。

ご存知の通り、僕のブランドは音楽やレコードなどに影響を受けていて、異なる文化間の交流や多文化主義の可能性、そこから生まれる相乗効果を強く信じています。それによって素晴らしいストーリーが生まれるはずで、そうした文化的な価値観に『UNION』との共通項を感じています。同じ価値観を持つストアと共に仕事をしていくことはとても重要で、この関係が今後のシーズンでも続いていくことを願っています。

ー『UNION』のオーナー、クリス・ギブスとの出会いはいつでしたか?

クリスとは、パリのファッション・ウィークで出会ってからすぐにクリエイティブな繋がりを感じたと記憶しています。僕は長年にわたり彼のストアや仕事を追いかけてきたし、ファッション、音楽、カルチャーをクロスオーバーする彼のストアと取り組みができたことは光栄でした。ロサンゼルスは、創造性に溢れる素晴らしい都市ですからね。

彼はロンドンの音楽シーンにも大変な関心を抱いていて、僕が一緒に仕事をしたSons Of KemetやYussef Dayesらについて、たくさん質問してくれました。人としても文化人としても、本当に素晴らしい人ですよね。

ー2022年春夏コレクションのテーマやコレクションについて伺います。今季はなぜ、キルティングに着目したのでしょうか?また、シンガーソングライターCaleb Kunleとの取り組みについても教えてください。

今回のコレクションは、フォークとブルース、そしてキルティングに着目した北米と英国におけるキルティングの歴史がテーマです。アイルランド育ちのCalebはナイジェリア出身で、彼はアイルランドの伝統的な民族音楽にブルースや西アフリカの音楽を融合しており、彼の音楽と作品には以前から注目していました。また、彼との取り組みには、彼と同じくイギリスを拠点にパワフルな仕事をしている若い才能を称え、彼らの活動にスポットライトを当てるという意味も込められています。

キルティングのスタイルは、イングランド北部に拠点を置くChris Englishと共にファブリックを制作し、デッドストックや端切れなどを再利用して、ユニークなスタイルを作り上げました。Calebとの音楽との相性も抜群だと思いませんか? また、イギリスやアメリカ南部のブラック・ディアスポラにおけるキルティングの用途や歴史も参考にしています。Richie HavensやDavid Grahamのようなミュージシャンから多くのインスピレーションを受けたので、彼らのようなミュージックアイコンにオマージュを捧げたいです。




Nicholas 2022 Spring/Summer Mood Board




Nicholas 2022 Spring/Summer Mood Board



ーNicholasのチームには以前、現ENCOMINGのデザイナーである加藤大気氏が在籍していました。きっと、日本人である彼から学んだことも少なくないのではないでしょうか?

そう、タイキは以前、僕のチームにいました。彼が成長して、自分のブランドを確立している姿を見ると、自分のことのように嬉しく思います。彼は優れたデザイン言語を持ち合わせていて、ディテールへのこだわりも抜かりがなかった。僕のチームでもいつも協力的で、影響力のある存在でしたよ。彼から学んだ勤勉さ、ディテールへの追求、そして日本のマーケットが持つ品質とその重要性は、僕の糧になっています。仲のいい友人の一人でもあるので、今後の活躍にも期待しています。

ーNicholasは日本にも何度も訪れていると思います。日本から受けたインスピレーションはありますか?また、滞在中の過ごし方も聞かせてください。

日本にはポジティブなイメージしかなく、デザインや文化、音楽の強い繋がりがあり、インスピレーションを与えてくれる素晴らしい場所だと思っています。東京は、ヴィンテージショップやインディペンデントショップの多い高円寺や下北沢が好きです。一方で、京都は日本の歴史について理解を深めつつ、リラックスして過ごせる土地でした。音楽的にもお気に入りのスポットがたくさんあります。『CONTACT』や『bonobo』をはじめとするクラブやバーとも出逢えたし、『ディスクユニオン』や『タワーレコード』ではバイナルを探すために何時間も滞在してしまいます。

それ以上に、ブランドを支えてくれる仲間や日頃お世話になっている人たちとの出会いが1番の思い出であることは間違いありません。

毎回、フィアンセと一緒に訪れるのですが、次は沖縄にいって空手の練習でも始めようと思っています(笑)。



ーNicholasのチームには以前、現ENCOMINGのデザイナーである加藤大気氏が在籍していました。きっと、日本人である彼から学んだことも少なくないのではないでしょうか?

そう、タイキは以前、僕のチームにいました。彼が成長して、自分のブランドを確立している姿を見ると、自分のことのように嬉しく思います。彼は優れたデザイン言語を持ち合わせていて、ディテールへのこだわりも抜かりがなかった。僕のチームでもいつも協力的で、影響力のある存在でしたよ。彼から学んだ勤勉さ、ディテールへの追求、そして日本のマーケットが持つ品質とその重要性は、僕の糧になっています。仲のいい友人の一人でもあるので、今後の活躍にも期待しています。

ーNicholasは日本にも何度も訪れていると思います。日本から受けたインスピレーションはありますか?また、滞在中の過ごし方も聞かせてください。

日本にはポジティブなイメージしかなく、デザインや文化、音楽の強い繋がりがあり、インスピレーションを与えてくれる素晴らしい場所だと思っています。東京は、ヴィンテージショップやインディペンデントショップの多い高円寺や下北沢が好きです。一方で、京都は日本の歴史について理解を深めつつ、リラックスして過ごせる土地でした。音楽的にもお気に入りのスポットがたくさんあります。『CONTACT』や『bonobo』をはじめとするクラブやバーとも出逢えたし、『ディスクユニオン』や『タワーレコード』ではバイナルを探すために何時間も滞在してしまいます。

それ以上に、ブランドを支えてくれる仲間や日頃お世話になっている人たちとの出会いが1番の思い出であることは間違いありません。

毎回、フィアンセと一緒に訪れるのですが、次は沖縄にいって空手の練習でも始めようと思っています(笑)。





ー最後に日本のファンたちにメッセージをお願いします。

パンデミックの影響で、日本に行くのはもう少し先になりそうですが、早く再訪したいですね。日本の友人や僕のブランドのファンに会うのはいつも楽しいことばかりで、イベントを開催して、滞在期間中は少しでも多くの人に会うようにしています。東京の『UNION』にも訪れたい。まもなくだと思うので、楽しみに待っていてください!


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ー最後に日本のファンたちにメッセージをお願いします。

パンデミックの影響で、日本に行くのはもう少し先になりそうですが、早く再訪したいですね。日本の友人や僕のブランドのファンに会うのはいつも楽しいことばかりで、イベントを開催して、滞在期間中は少しでも多くの人に会うようにしています。東京の『UNION』にも訪れたい。まもなくだと思うので、楽しみに待っていてください!

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