KNOW THE LEDGE / BRING BACK TO 2000s

blue roomのオーナー、羽月基と編集者、小澤匡行のクロストークには、かつてストリートに沸き起こった大きなDUNKブームを振り返ることによって得ることができる知見と刺激を咀嚼しつつ、時代を覗き込むフィルターを現代の角度から作るヒントが詰まっている。第二回の後編は、2000年代のカルチャーについて。OG世代のエディケーションと、ニュージェネレーションによるエディットの融合によって、時代がクリアに見えてくる。

DUNK MIDについて話した前編はこちらから。
BRING BACK OF DUNK MID

Text:MANUSKRIPT

羽月基 / blue room オーナー @blue_room___
1990年代〜00年代のストリートウェアなどを主に取り扱い、当時のファッションやカルチャーをリアルタイムで通っていないなりの解釈で提案。当時の熱量を新しい世代に伝えるショップ「blue room」のオーナー。

小澤匡行 / 編集者 @moremix
2016年に『東京スニーカー史』(立東舎)、2017年に『SNEAKERS』(スペースシャワーネットワーク)の日本版を監修、2021年に『1995年のエア マックス』(中央公論新社)を上梓。ストリートと社会経済を結びつけながら、スニーカーカルチャーを編纂。


自分たちの好きを続けるには、時代に抵抗することも必要

小澤:羽月くんと話していて、世代が異なれば、同じDUNKでも入り口の違いによる価値観の違いがあることを強く感じました。そうなると、スニーカーよりもっと視点を広く見た2000年代のカルチャーの捉え方の違いはユニークだと思うんですよ。

羽月:僕はY2Kという言葉自体が好きじゃないです。

小澤:それはウィメンズのトレンドワードですよね。羽月くんは、やはりスケートの文脈が入り口でしたか?

羽月:オールドステューシーを掘りつつ、靴の勉強もしていたので、そうなるとやはり藤原ヒロシさんとリンクしましたね。最初にハマって集めたのはGOODENOUGHです。スケートとパンクの中間って感じもするし、普通に着やすいデザインが多い。どう解釈しても良い服だと思いました。



小澤:それがblue roomのお店のオープンに繋がっていくと思うのですが、羽月くんのリアルな時代になくて、2000年代前後にキラキラして見えるものってどこにありますか?

羽月:キラキラしているもの?

小澤:言語化は難しいんだけど同じ価値観を共有する仲間たちが「これヤバイよね」って思えるポイント。

羽月:うーん、今にないって事実がすべてですが、しいていうなら、この時代の「繋がっていく感覚」が好きですね。これがあったから、こういう流れができて、これが誕生するみたいな。掘り続けていくと、日本からイギリスやアメリカまで繋がっていく感覚がおもしろいです。

小澤:現代はフラットになりすぎているから?

羽月:SNSもありますしね。あと2000年前後の日本のカルチャーが好きな人って、世界中にたくさんいるんですよ。そして『Boon』とか『relax』とか当たり前のように読み込んでいて。そのときの雑誌の掘り方って、今とは熱量が異次元みたいに感じます。



小澤:世界に誇れる国民性というものでしょうか。

羽月:スニーカーでも古着でも靴紐やステッチの数の違いに価値を見出したり、ヤバイよねって感じるのが日本人だと思うんです。そのヤバさがSNSによって少しずつ海外に理解されていった感じがします。

小澤:僕が雑誌の仕事をはじめたのは2000年代初頭だから、羽月くんが言うカルチャー的には後期だと思うけどそれでも相対的な質量のあるものを体系的に精査する作業の大切さは教わりました。例えば全国から100着集めたミリタリーのM-65があるとして、それを納入会社やジッパーの種類、製造年、サイズなどで分けていくと、何が多くて何が少ないかが見えてくる。その傾向が個々の値付けに合っているかどうかが、掘り出し物の基準になっていました。でも今は、そのやりかたの希少性だけが価値に直結していない気がするかな。

羽月:そうですね。例えば『Boon』でプレミア扱いされているものが、今でも価値があるかと言ったら別にそうでないと思います。逆に「そんなの誰も着てなかったよ」みたいな服とかが価値を持ったりします。

小澤:1年後にはまったく違う値段に変わる、現在のユーズド市場のスピード感には驚かされますよね。Tシャツも注目されるジャンルがどんどん変わっている。

羽月:日本発信のストリートウェアも時間の問題かな、と思いますが、なるべく抵抗したくて。あくまでデザインをフラットに見て欲しいから、プレミアを促すような値付けはしたくないんです。



小澤:そのスピード感を早めている正体は何ですか?SNSはあくまでツールであって、仕掛け人は別にいると思うんですが。

羽月:どこにいるんですかね。ラグジュアリーのデザイナーですかね?

小澤:90年代のARMANIとかが注目される流れもありますが、2000年代はある程度メゾンにもストリートの要素が流れてきた時代じゃないですか。ラフ・シモンズだったり、マーク・ジェイコブスがLOUIS VUITTONに、エディ・スリマンがDIOR HOMMEのデザイナーに就任したり。そういう貴族階級に属さず、ボロボロの古着を着てきたデザイナーたちがラグジュアリーを作り始めた時代はリアルに過ごしても面白かったですね。

羽月:確かにそうですね。

小澤:その頃はもちろん金額も高くて買えなかったけど、今古着で見るとまた違う角度で楽しめます。ストリートの感覚でミックスしやすそうですし。Y2Kって僕の中では、もっとLAセレブっぽいというかカオス的な雰囲気ですよね。それをメンズファッションに転用することに違和感があります。

羽月:そういう空気感を作っているのは、おそらくスタイリストだと思います。K-POPのアイドルって、最もマインド的なY2Kを表現している気がして。最近ではすごく懐かしい着方でBapeとかをスタイリングしてるんですよ。

小澤:そうなんですか??

羽月:でもしっかり今の服も混ぜてて。しっかりインフルエンスできる人をスタイリングできる人が流れ作っている気がしますね。デザイナーよりスタイリスト。

小澤:ワンブランドでは表現できないトレンド感は、日本に比べてメゾンの制約や縛りの少ない韓国の強みな気がします。しかもエンターテインメントの規模が違うから、いろんなことが一気に広がる。マイノリティなトレンドも一瞬でフックアップできる瞬発力と爆発力がありますよね。でも、そういう自分たちだけの宝物感を奪われるかのような悔しさみたいな感情はないんですか?

羽月:すごくありますよ。僕らが目をつけている古着だって一瞬でブームになる可能性がある。嬉しさもありますが、見つかったときの恐ろしさも半端無いですね。

小澤:マーケットが無限すぎて、拡散をコントロールできないですしね。マイノリティな人たち同士が共感しあうことで作り上げた強い絆みたいなものが、一瞬でマジョリティになる。裏原宿が表になってしまう昔の流れと似ていますが、あのカルチャーが作られた功績は「緩やかな時間」だったかもしれません。

羽月: blue roomを始めたのも、その当時の服を着ている人がいなかったからです。僕がもしリアルタイムで2000年前後を過ごしていたら、雑誌に載っている服なんて着たくないって言ってると思うんです。周りの同じ世代で着ている人がいなかったし、安く買えた。そこに過去への憧れが結びついて、雑誌に載っている服を集めている感じですね。

小澤:リアルタイムを体験していないからこそ見える魅力ですね。

羽月:ここは他に古着店が多い渋谷エリアではないですが、だからこそ好きなものを共有できる人が集まれる特別な場所であったら嬉しいです。そして何かを掘るきっかけを与えられる店でありたいですね。

小澤:SNSを賢く利用しながらも、大きな波が自分に向かってきたら逃げていく。そうならない流れを作ることを永遠と続けていくのは大変な時代ですね。

羽月:逃げ続けないとですね。




ミレニアム前後のUNIONは、NYの最先端を編集していた。

― 小澤さんがUNIONを知った当時のエピソードを教えて下さい。

小澤:1999年に初めてアメリカに一人で旅行して、ワシントンD.C.からNYに行った時、SOHOを彷徨って事前情報もなく見つけました。最初はフロントマンのシルエットをTOMMY BOYのロゴと勘違いしたんです。それで入ったらUNIONでした。その時にTシャツを購入したのを覚えています。22ドルくらいで安くて、知らないローカルなブランドがたくさん並んでいて、日本の友人のおみやげにも買いましたね。

その後、1年間くらいフィラデルフィアに遊学するのですが、毎週末のようにNYへはバスで遊びに行ってたので、よく通っていました。お世話になった日本人の先輩がお店と仲が良かったので、連れて行ってもらった感覚です。近所にSTUSSYやSUPREMEがあったけど、僕は小さなUNIONにすごくニューヨークを感じました。ミックステープやレコード、音楽にまつわる雑貨とか扱っていて、日本にない最先端のクールって感じです。

羽月:セレクトのミックス感は僕らも影響を受けているかもしれません。

小澤:2000年って、AppleのiMacが流行っててPowerMac G4が出始めた頃で、自分の先輩とかもMacを使ってグラフィックを作ったり。そういうブランドのTシャツとかをUNIONで扱っていました。デザインが民主化する過度期みたいな空気感を、ストリートの視点でうまく捉えていたお店だったと思います。

羽月:その頃のTシャツはいいものいっぱいありましたよね。10周年記念のコレクションとか。

小澤:この68&BROSのTシャツなんて、まさに僕がアメリカ住んでいた時に買いましたよ。



羽月:この大きなフロントマンは一番のお気に入りですね。ボディが脱色してスミクロになった雰囲気が最高です。あとはオリンピックのデザインとかも。グラフィックはもちろんですが、ジャケットにしてもそこを選ぶんだっていう元ネタのセンスが渋いです。



小澤:僕もUNIONの考え方ってヒップホップだった気がするな。この辺りも売っているんですか?

羽月:いえ、今のところはその予定はないです。完全に私物のコレクションですね。でも、どれが古いかは細かくわからないですが、たまにお店でもUNIONの古着を並べています。先日もクリスがお店に来て、懐かしそうに見ていました。「俺がお店にいたときの服がここにあることが不思議で仕方ない」って。

小澤:そうですよね。オールドユニオンを扱うお店なんて僕も他に知らない。そうした当時の空気を編集しているblue roomの存在は、とても貴重じゃないかな。自分たちにない2000年代の新しい見方を教えてもらえるのが嬉しいです。



NIKE DUNK MID
2004年にリリースされたDUNK MIDはわずか数年の展開となり、その遺伝子はNIKE SBに継承され、ズームエア及びストラップが搭載されたスケート仕様として現在も継続。今回はインラインでは省略された幻のミニマルデザインが国内のリテール展開は UNION TOKYO&OSAKA EXCLUSIVE のみでリイシュー。アースカラー&モノトーンの対照的なカラーリングとヴィンテージライクなエイジングが期待できるキャンバスでアレンジされた。新鮮なMIDカットは、ボトムスのボリューム及びレングスを問わない有用性の高いシルエットが特徴。



NIKE DUNK MID
¥14,300
COLOR:SAIL/BLACK-SAIL-BLACK
SIZE:26.0cm - 29.0cm



NIKE DUNK MID
¥14,300
COLOR:COCONUT MILK/VIVID ORANGE-CELESTIAL GOLD
SIZE:26.0cm - 29.0cm


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blue roomのオーナー、羽月基と編集者、小澤匡行のクロストークには、かつてストリートに沸き起こった大きなDUNKブームを振り返ることによって得ることができる知見と刺激を咀嚼しつつ、時代を覗き込むフィルターを現代の角度から作るヒントが詰まっている。第二回の後編は、2000年代のカルチャーについて。OG世代のエディケーションと、ニュージェネレーションによるエディットの融合によって、時代がクリアに見えてくる。

DUNK MIDについて話した前編はこちらから。
BRING BACK OF DUNK MID

Text:MANUSKRIPT

羽月基 / blue room オーナー @blue_room___
1990年代〜00年代のストリートウェアなどを主に取り扱い、当時のファッションやカルチャーをリアルタイムで通っていないなりの解釈で提案。当時の熱量を新しい世代に伝えるショップ「blue room」のオーナー。

小澤匡行 / 編集者 @moremix
2016年に『東京スニーカー史』(立東舎)、2017年に『SNEAKERS』(スペースシャワーネットワーク)の日本版を監修、2021年に『1995年のエア マックス』(中央公論新社)を上梓。ストリートと社会経済を結びつけながら、スニーカーカルチャーを編纂。



自分たちの好きを続けるには
時代に抵抗することも必要

小澤:羽月くんと話していて、世代が異なれば、同じDUNKでも入り口の違いによる価値観の違いがあることを強く感じました。そうなると、スニーカーよりもっと視点を広く見た2000年代のカルチャーの捉え方の違いはユニークだと思うんですよ。

羽月:僕はY2Kという言葉自体が好きじゃないです。

小澤:それはウィメンズのトレンドワードですよね。羽月くんは、やはりスケートの文脈が入り口でしたか?

羽月:オールドステューシーを掘りつつ、靴の勉強もしていたので、そうなるとやはり藤原ヒロシさんとリンクしましたね。最初にハマって集めたのはGOODENOUGHです。スケートとパンクの中間って感じもするし、普通に着やすいデザインが多い。どう解釈しても良い服だと思いました。



小澤:それがblue roomのお店のオープンに繋がっていくと思うのですが、羽月くんのリアルな時代になくて、2000年代前後にキラキラして見えるものってどこにありますか?

羽月:キラキラしているもの?

小澤:言語化は難しいんだけど同じ価値観を共有する仲間たちが「これヤバイよね」って思えるポイント。

羽月:うーん、今にないって事実がすべてですが、しいていうなら、この時代の「繋がっていく感覚」が好きですね。これがあったから、こういう流れができて、これが誕生するみたいな。掘り続けていくと、日本からイギリスやアメリカまで繋がっていく感覚がおもしろいです。

小澤:現代はフラットになりすぎているから?

羽月:SNSもありますしね。あと2000年前後の日本のカルチャーが好きな人って、世界中にたくさんいるんですよ。そして『Boon』とか『relax』とか当たり前のように読み込んでいて。そのときの雑誌の掘り方って、今とは熱量が異次元みたいに感じます。



小澤:世界に誇れる国民性というものでしょうか。

羽月:スニーカーでも古着でも靴紐やステッチの数の違いに価値を見出したり、ヤバイよねって感じるのが日本人だと思うんです。そのヤバさがSNSによって少しずつ海外に理解されていった感じがします。

小澤:僕が雑誌の仕事をはじめたのは2000年代初頭だから、羽月くんが言うカルチャー的には後期だと思うけどそれでも相対的な質量のあるものを体系的に精査する作業の大切さは教わりました。例えば全国から100着集めたミリタリーのM-65があるとして、それを納入会社やジッパーの種類、製造年、サイズなどで分けていくと、何が多くて何が少ないかが見えてくる。その傾向が個々の値付けに合っているかどうかが、掘り出し物の基準になっていました。でも今は、そのやりかたの希少性だけが価値に直結していない気がするかな。

羽月:そうですね。例えば『Boon』でプレミア扱いされているものが、今でも価値があるかと言ったら別にそうでないと思います。逆に「そんなの誰も着てなかったよ」みたいな服とかが価値を持ったりします。

小澤:1年後にはまったく違う値段に変わる、現在のユーズド市場のスピード感には驚かされますよね。Tシャツも注目されるジャンルがどんどん変わっている。

羽月:日本発信のストリートウェアも時間の問題かな、と思いますが、なるべく抵抗したくて。あくまでデザインをフラットに見て欲しいから、プレミアを促すような値付けはしたくないんです。



小澤:そのスピード感を早めている正体は何ですか?SNSはあくまでツールであって、仕掛け人は別にいると思うんですが。

羽月:どこにいるんですかね。ラグジュアリーのデザイナーですかね?

小澤:90年代のARMANIとかが注目される流れもありますが、2000年代はある程度メゾンにもストリートの要素が流れてきた時代じゃないですか。ラフ・シモンズだったり、マーク・ジェイコブスがLOUIS VUITTONに、エディ・スリマンがDIOR HOMMEのデザイナーに就任したり。そういう貴族階級に属さず、ボロボロの古着を着てきたデザイナーたちがラグジュアリーを作り始めた時代はリアルに過ごしても面白かったですね。

羽月:確かにそうですね。

小澤:その頃はもちろん金額も高くて買えなかったけど、今古着で見るとまた違う角度で楽しめます。ストリートの感覚でミックスしやすそうですし。Y2Kって僕の中では、もっとLAセレブっぽいというかカオス的な雰囲気ですよね。それをメンズファッションに転用することに違和感があります。

羽月:そういう空気感を作っているのは、おそらくスタイリストだと思います。K-POPのアイドルって、最もマインド的なY2Kを表現している気がして。最近ではすごく懐かしい着方でBapeとかをスタイリングしてるんですよ。

小澤:そうなんですか??

羽月:でもしっかり今の服も混ぜてて。しっかりインフルエンスできる人をスタイリングできる人が流れ作っている気がしますね。デザイナーよりスタイリスト。

小澤:ワンブランドでは表現できないトレンド感は、日本に比べてメゾンの制約や縛りの少ない韓国の強みな気がします。しかもエンターテインメントの規模が違うから、いろんなことが一気に広がる。マイノリティなトレンドも一瞬でフックアップできる瞬発力と爆発力がありますよね。でも、そういう自分たちだけの宝物感を奪われるかのような悔しさみたいな感情はないんですか?

羽月:すごくありますよ。僕らが目をつけている古着だって一瞬でブームになる可能性がある。嬉しさもありますが、見つかったときの恐ろしさも半端無いですね。

小澤:マーケットが無限すぎて、拡散をコントロールできないですしね。マイノリティな人たち同士が共感しあうことで作り上げた強い絆みたいなものが、一瞬でマジョリティになる。裏原宿が表になってしまう昔の流れと似ていますが、あのカルチャーが作られた功績は「緩やかな時間」だったかもしれません。

羽月: blue roomを始めたのも、その当時の服を着ている人がいなかったからです。僕がもしリアルタイムで2000年前後を過ごしていたら、雑誌に載っている服なんて着たくないって言ってると思うんです。周りの同じ世代で着ている人がいなかったし、安く買えた。そこに過去への憧れが結びついて、雑誌に載っている服を集めている感じですね。

小澤:リアルタイムを体験していないからこそ見える魅力ですね。

羽月:ここは他に古着店が多い渋谷エリアではないですが、だからこそ好きなものを共有できる人が集まれる特別な場所であったら嬉しいです。そして何かを掘るきっかけを与えられる店でありたいですね。

小澤:SNSを賢く利用しながらも、大きな波が自分に向かってきたら逃げていく。そうならない流れを作ることを永遠と続けていくのは大変な時代ですね。

羽月:逃げ続けないとですね。




ミレニアム前後のUNIONは
NYの最先端を編集していた。

― 小澤さんがUNIONを知った当時のエピソードを教えて下さい。

小澤:1999年に初めてアメリカに一人で旅行して、ワシントンD.C.からNYに行った時、SOHOを彷徨って事前情報もなく見つけました。最初はフロントマンのシルエットをTOMMY BOYのロゴと勘違いしたんです。それで入ったらUNIONでした。その時にTシャツを購入したのを覚えています。22ドルくらいで安くて、知らないローカルなブランドがたくさん並んでいて、日本の友人のおみやげにも買いましたね。

その後、1年間くらいフィラデルフィアに遊学するのですが、毎週末のようにNYへはバスで遊びに行ってたので、よく通っていました。お世話になった日本人の先輩がお店と仲が良かったので、連れて行ってもらった感覚です。近所にSTUSSYやSUPREMEがあったけど、僕は小さなUNIONにすごくニューヨークを感じました。ミックステープやレコード、音楽にまつわる雑貨とか扱っていて、日本にない最先端のクールって感じです。

羽月:セレクトのミックス感は僕らも影響を受けているかもしれません。

小澤:2000年って、AppleのiMacが流行っててPowerMac G4が出始めた頃で、自分の先輩とかもMacを使ってグラフィックを作ったり。そういうブランドのTシャツとかをUNIONで扱っていました。デザインが民主化する過度期みたいな空気感を、ストリートの視点でうまく捉えていたお店だったと思います。

羽月:その頃のTシャツはいいものいっぱいありましたよね。10周年記念のコレクションとか。

小澤:この68&BROSのTシャツなんて、まさに僕がアメリカ住んでいた時に買いましたよ。



羽月:この大きなフロントマンは一番のお気に入りですね。ボディが脱色してスミクロになった雰囲気が最高です。あとはオリンピックのデザインとかも。グラフィックはもちろんですが、ジャケットにしてもそこを選ぶんだっていう元ネタのセンスが渋いです。




小澤:僕もUNIONの考え方ってヒップホップだった気がするな。この辺りも売っているんですか?

羽月:いえ、今のところはその予定はないです。完全に私物のコレクションですね。でも、どれが古いかは細かくわからないですが、たまにお店でもUNIONの古着を並べています。先日もクリスがお店に来て、懐かしそうに見ていました。「俺がお店にいたときの服がここにあることが不思議で仕方ない」って。

小澤:そうですよね。オールドユニオンを扱うお店なんて僕も他に知らない。そうした当時の空気を編集しているblue roomの存在は、とても貴重じゃないかな。自分たちにない2000年代の新しい見方を教えてもらえるのが嬉しいです。





NIKE DUNK MID
2004年にリリースされたDUNK MIDはわずか数年の展開となり、その遺伝子はNIKE SBに継承され、ズームエア及びストラップが搭載されたスケート仕様として現在も継続。今回はインラインでは省略された幻のミニマルデザインが国内のリテール展開は UNION TOKYO&OSAKA EXCLUSIVE のみでリイシュー。アースカラー&モノトーンの対照的なカラーリングとヴィンテージライクなエイジングが期待できるキャンバスでアレンジされた。新鮮なMIDカットは、ボトムスのボリューム及びレングスを問わない有用性の高いシルエットが特徴。



NIKE DUNK MID
¥14,300
COLOR:SAIL/BLACK-SAIL-BLACK
SIZE:26.0cm - 29.0cm



NIKE DUNK MID
¥14,300
COLOR:COCONUT MILK/VIVID ORANGE-CELESTIAL GOLD
SIZE:26.0cm - 29.0cm


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